幼少期から工事現場が大好き。おおきな重機が轟音を鳴らす姿と、その油臭いにおいが堪らなかった。小学生の時には、将来はゼネコンに就職すると決め、進路を決めていた。東海大学の海洋土木工学である。土木(土質・構造・測量学)+海洋(水・流体力学)を学べる、日本で唯一の場所。順調に歩みを進め、さあゼネコンへ就職だ!と自分も思っていた…。
その道から林業へ転換した理由は2つ。1つ目は、南太平洋の島国を訪れた時に知った環境問題、温暖化と海洋プラ問題。2つ目は、大学時代の恩師(田中博通氏)との出会いである。田中研究室では、海の波の力を利用した発電(波力発電)を研究していた。もう一つ、なぜか「木質バイオマス発電」をテーマにしていたのである。まだ、FIT制度も無く、建廃木質発電が数カ所存在しない時期。詳しく聞くと、とにかくに話が長い…(笑)端的に言うと
- 原料となる燃料は、山から流れて来る大量の「流木」を利活用したい
- 発電や熱利用システムの研究はしない。プラント屋の仕事
- 重要なことは、「流木の発生量調査とその発生要因」
現在、課題となっている木質バイオマス燃料の安定的確保に向けた基礎調査である。私は、この時、はじめて林業を知ることになった。「戦後の大規模植林地が収穫期に近づいていること」「日本の林業は、様々な要因で急激に衰退していること」。しかも、流木が大量に発生して人災まで起きている…。流木の利活用よりも、森林・林業の再活性化が社会的課題になっている。土木分野で学んだ知識も活かせる「これだ!」とビビッときた。
日本の国土面積は約3,700万ha、森林面積は約2,500万ha、人工林面積は約1,000万ha、
『日本の7割は、森。林業が変われば、この国は変わる』
フォレストマネジメント合同会社 代表 佐藤伸幸